最近の太陽系探査によって、地球以外の天体に液体の水が存在する(していた)証拠が続々と見つかっている。本研究領域では、これら天体上で水が駆動する化学反応や物質循環を解明することで、水が惑星の形成・進化に果たした役割を総合的に理解し、生命生存可能性の議論にまで至る「水惑星学」の創成を目的とする。そのために、地球科学と惑星科学が有機的に融合し、はやぶさ2探査の機会を利用することで、太陽系天体の水・物質循環を記述する理論とその実試料による実証を両輪とする研究体系を構築する。これによる達成目標は、1)微惑星内の水・物質循環の解明と地球の水量の決定要因の理解、2)火星、氷衛星における水環境進化とエネルギー論に基づく生命圏の推定である。
研究項目A01では、水-岩石反応やエネルギー論による生命圏の予測、A02では水-氷相互作用の物理化学過程を、それぞれ実験的に明らかにし、A03では、A01、A02で得られた化学過程を組み込んだ理論モデルを構築する。B01では、高度化したX線顕微鏡を構築し、惑星物質から水質(pH、酸化還元状態、温度など)を読み解くプロキシを開発、実試料に適応する。B02では、はやぶさ2探査対象の小惑星リュウグウ、火星、氷衛星の探査データの解析と水環境の解読を行う。
公募研究では、地球の水文学・物質循環学、極限環境微生物学、フィールド地質学、太陽系探査学、太陽系天体の望遠鏡観測など、本領域でカバーしきれない周辺分野の萌芽的な研究や長期的視点を持つ提案を期待する(タイプI)。また、本領域で整備した研究資源である「はやぶさ2」データやX線顕微鏡を使って異分野を結び付ける研究、地球生命と水環境の共進化に着目する研究や、将来太陽系探査のための機器開発といった、本領域を基盤としこれを多方面に発展させる提案を期待する(タイプII)。
研究項目 | 応募上限額(単年度) | 採択目安件数 |
A01 太陽系天体における水-岩石反応 | 200万円(タイプI) 500万円(タイプⅡ) |
6件 6件 |
A02 太陽系天体における水-氷相互作用 | ||
A03 太陽系天体における水・物質循環のモデリング | ||
B01 水惑星学創成に向けた分子地球化学分析 | ||
B02 水惑星学創成に向けた太陽系探査 |
最近の太陽系探査によって、地球以外の天体に液体の水が存在する(していた)証拠が続々と見つかっている。本研究領域では、これら天体上で水が駆動する化学反応や物質循環を解明することで、水が惑星の形成・進化に果たした役割を総合的に理解し、生命生存可能性の議論にまで至る「水惑星学」の創成を目的とする。そのために、地球科学と惑星科学が有機的に融合し、はやぶさ2探査の機会を利用することで、太陽系天体の水・物質循環を記述する理論とその実試料による実証を両輪とする研究体系を構築する。これによる達成目標は、1)微惑星内の水・物質循環の解明と地球の水量の決定要因の理解、2)火星、氷衛星における水環境進化とエネルギー論に基づく生命圏の推定である。
研究項目A01では、水-岩石反応やエネルギー論による生命圏の予測、A02では水-氷相互作用の物理化学過程を、それぞれ実験的に明らかにし、A03では、A01、A02で得られた化学過程を組み込んだ理論モデルを構築する。B01では、高度化した軟X線顕微鏡を構築し、惑星物質から水質(pH、酸化還元状態、温度など)を読み解くプロキシを開発、実試料に適応する。B02では、はやぶさ2探査対象の小惑星リュウグウ、火星、氷衛星の探査データの解析と水環境の解読を行う。
公募研究では、太陽系探査学、地球史学、地球における水・物質循環学、フィールド地質学、系外惑星学など、本領域でカバーしきれない周辺分野での斬新なアイディアによる萌芽的な研究や、探査機器開発など長期的視点を持つ提案を期待する(タイプI)。また、本領域の計画研究によって整備される研究資源である、はやぶさ2探査データや軟X線顕微鏡を使いつつ、異分野の研究を結び付けることでさらに発展させる研究も期待される(タイプII)。初年度にはタイプIの研究に関して応募を行う。
研究項目 | 応募上限額(単年度) | 採択目安件数 |
A01 太陽系天体における水-岩石反応 | 200万円(タイプI) | 12件 |
A02 太陽系天体における水-氷相互作用 | ||
A03 太陽系天体における水・物質循環のモデリング | ||
B01 水惑星学創成に向けた分子地球化学分析 | ||
B02 水惑星学創成に向けた太陽系探査 |